研究概要 |
動く物体の3次元動画像計測を可能にする並列ディジタルホログラフィシステムに,GPUに汎用的な数値計算を行わせるGPGPU(General Purpose GPU)による高速像再生処理システムを導入し,高精度3次元動画像実時間計測システムを実現することが本研究の目的である.これまで,並列ディジタルホログラフィにおける像再生計算処理の高速化に関しては未報告であった.そこで本研究では,システム実現の第一歩として,市販のGPUを利用して並列ディジタルホログラフィにおける像再生処理計算の高速化を試みた.像再生処理計算において,ホログラムの各画素における複素振幅の計算は,補間処理などの計算負荷の小さい前処理を除けば,画素ごとに独立に実行できる.そこで本研究では,前処理に比べて計算負荷の大きかった位相シフト計算処理を,GPGPUを利用して複数画素を同時に計算可能にした.これにより,従来に比べて約12倍の高速化に成功した.また,さらに計算負荷の大きかった回折計算処理は,NVIDIA社が提供するGPGPU環境(CUDA 5)に付属するCUFFTライブラリを利用して高速化に成功した.こちらは,従来の約12倍の高速化を実現できた.以上の成果を,国内学会[角江他, OPJ2012 講演予稿集, 24pP9, 2012]及び国際会議[T. Kakue, et al., Proceedings of IDW/AD'12, 3Dp-27, 2012.]にて報告した.
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