研究課題
動く物体の3次元動画像計測を可能にする並列ディジタルホログラフィシステムに,GPUを利用した高速像再生処理システムを導入し,高精度3次元動画像実時間計測システムを実現することが本研究の目的である.平成24年度においては,高精度計測を実現するための計算処理(位相シフト計算処理)を,GPUの利用により従来の約11倍に高速化することに成功した.高速現象の記録においては画像の撮影速度が重要になる.画像の解像度と撮影速度とは一般にトレードオフの関係にあるため,高速撮影を行う場合,撮影画像の画素数は少なくなる.前年度にGPUを用いた結果では,ホログラムの画素数が減少するほど,CPUを用いる従来の計算に比べて優位性が失われていた.そこで,GPUとは別に,設計者が回路構成を自由に設定できる集積回路であるFPGAを利用して,並列ディジタルホログラフィにおける計算処理を高速化することにした.Xilinx社製の大規模FPGA基板を対象に回路設計を行うとともに,同社のシミュレータを用いてCPUとの比較を行った.その結果,位相シフト計算処理を従来の約7倍に高速化できることを確かめた.また,使用したFPGAのリソースには余裕があることも確認できたので,今後は同一回路を複数搭載することで,さらなる高速化を目指す.また,設計回路をFPGA基板へ実装し,ホログラム撮影システムとの統合を目指すことが今後の課題である.また,並列ディジタルホログラフィの3次元動画像計測への発展可能性を示すために実証実験を行った.高速振動体としてスピーカーの振動板を対象とした高速度撮影を行った.その結果,振動板の振動変位の時間変化と,振動周波数の推定に成功した.この成果は,振動計測分野において非常に有用である.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Physics Express
巻: 6 ページ: 092501
10.7567/APEX.6.092501
http://brains.te.chiba-u.jp/