東北地方太平洋沖地震において鉄道高架橋上に設置された電車線柱が広範囲に渡り倒壊した.高架橋本体の損傷は軽微であったものの,電車線柱の撤去・建て替え等に時間を要したため,新幹線の運行の再開が大幅に遅れた.このことから高架橋本体のみならず既設の電車線柱の耐震性能を的確に把握しておく必要がある.しかし,商用ソフトではさまざまな制約から特殊な非線形性を有する電車線柱の解析は困難である.そこで本研究では,高度にカスタマイズ可能で汎用性のある動的非線形アルゴリズムISASを開発し,その動的解析を行った.その結果,高架橋上の応答と電車線柱の損傷との関係および既存の電車線柱の設計基準の問題点を明らかにした.
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