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2012 年度 実績報告書

原子力鉄鋼材料のミクロ組織発達モデル化に資する照射欠陥挙動分析手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24860025
研究機関東京大学

研究代表者

村上 健太  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50635000)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード原子炉圧力容器 / 照射脆化 / イオン照射 / 照射損傷
研究概要

本研究の目的は、原子炉用鉄鋼材料における照射欠陥の拡散挙動を、(1) 供用期間(あるいは累積照射量)に大きく依存する、材料中のミクロ組織発達、(2)材料の化学組成や加工方法等、経年劣化管理プログラムで考慮されるパラメータ、と関連付けて測定する実験技術を開発し、ミクロ組織の核形成と成長に影響を与える欠陥の拡散挙動を明らかにすることである。具体的には、試料を低温イオン照射に供して照射欠陥を導入した後、温度を精緻に制御しながら、照射欠陥をその種類ごとに拡散させ、それぞれの拡散機構がミクロ組織に与える影響を評価する。
今年度は、低合金鋼のモデル試料の作成と、薄膜試料からのミクロ組織観察手法の開発を行った。供用開始直後や長期運転時など運転開始からの時期を意識しつつ、材料因子や環境因子が照射欠陥の拡散に与える影響を調べるためには、照射劣化の程度と対応付けたミクロ組織を有するモデル試料を作製する必要がある。
照射脆化の主因となるミクロ組織は、溶質原子が集合した析出物であると考えられている。申請者は、パルスレーザ蒸着法を用いて、低合金鋼モデル合金を合成石英基板上に蒸着し、原子炉圧力容器鋼の特徴を抽出したモデル合金を作成した。また、薄膜を収束イオンビームによってマイクロサンプリングして、TEM試料とする手法の開発や、東日本大震災後に使用を停止していた低温照射チャンバの再構築を実施した。
これらに加えて、今年度は一部の照射試験を実施する計画であったが、加速器に復旧作業に時間を取られたため、当初の実験予定と比較して、研究の進捗には2か月程度の遅れが生じている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

イオン照射設備の復旧が当初のユーザへの説明と比較して若干遅れ気味である。したがって、本研究の計画にも2か月程度の遅れが出ており、H25年2月頃に再開予定であった照射試験を実施できなかった。

今後の研究の推進方策

イオン照射設備の復旧作業に尽力する。また、照射済み試料の追加焼鈍によって一部データの補足をはかる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Analysis of defects migration in RPV model alloys using low temperature ion irradiation

    • 著者名/発表者名
      K. Murakami, T. Iwai, H. Abe, Y. Katano, T. Iwata, T. Onitsuka, N. Sekimura
    • 学会等名
      Numat 2012
    • 発表場所
      大阪国際交流センター
  • [学会発表] イオン照射した316ステンレス鋼のPWR溶存水素に対する腐食挙動

    • 著者名/発表者名
      村上健太、藤本浩二、小林高揚、﨑間公久、岩井岳夫、関村直人
    • 学会等名
      日本原子力学会 秋の大会
    • 発表場所
      広島大学

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公開日: 2014-07-24  

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