本研究では、抗菌ペプチドの細胞内標的分子への作用メカニズムを解明することを目的として、タンパク質生合成に対する抗菌ペプチドの影響を定量的に測定する手法の確立を目指した。従来の抗生物質を用いた結果から、今回実施した無細胞タンパク質合成系を用いた手法は、妥当性の高い測定方法であることが確認できた。また、細胞内作用が未知である抗菌ペプチドについては、本測定法を用いることにより、タンパク質合成阻害能を定量的に評価できただけでなく、タンパク質合成のどの過程を阻害するかを特定することができた。また、未知の標的物質の精製については抗菌ペプチドを固定化した磁性ビーズを用いた方法が有効であることを示した。
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