分光計測のダイナミックレンジは,計測に用いるCCDカメラのダイナミックレンジと,分光器内での光の回折による像の広がりにより制限されることを明らかにした.まず,読み出しノイズが小さく読み出し速度の大きいCMOSカメラと信号の平均操作を組み合わせることで光検出器のダイナミックレンジを向上した.次に,刻線数・実効面積の大きな回折格子を用いて,回折による像の広がりを抑制し,併せて6桁のダイナミックレンジの分光計測システムを開発した.本分光システムを核融合科学研究所で生成される高温水素プラズマからの発光計測に適用し,計測した水素原子線スペクトルからプラズマ中の中性水素原子密度を導出する手法を開発した.
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