本研究の目的は,切りくずの凝着などによって加工特性が低下した切削工具を工作機械上で再生する,つまり「切削工具の機上再生」というこれまでにない技術を提案・確立することである.本研究ではアルミニウム合金のドライ切削加工に着目して検討を行い,①液体金属脆化作用を援用した凝着物の脆化,②ケミカルウッドの切削,からなる工具再生プロセスを提案した.そして,提案手法をアルミニウム合金のドライエンドミル加工に適用した結果,切りくず凝着によって加工特性が著しく低下した工具に対して提案プロセスを適用することで,工具のパフォーマンスが新品状態と同程度まで回復することを明らかにした.
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