シルクフィブロイン材料表面のタンパク質二次構造やその変動についての詳細な解析を進めた。フィブロイン糸(布)、またはフィブロインスポンジを用い、湿潤加熱処理により構造変動を誘導した後、結晶領域を強調するCP/MAS法、または非晶領域を強調するPST/MAS法による固体13C NMR測定によりタンパク質二次構造解析を行った。初期構造の差異による水分子との異なる相互作用が湿潤加熱処理による構造変動や分子運動性にも影響を与えていることが示唆された。また、材料の含水率制御下での構造解析により、表面近傍に局在すると考えられているシルクIII型についても新たな知見が得られた。
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