研究課題
本研究は基礎と応用の両方に跨がる非常に挑戦的なテーマであり、以下の3つの項目を柱として研究を進めている。① 波束ダイナミクス法による熱電変換解析手法の確立とシミュレータの開発② 多体相関効果が引き起こすナノ物質特有の輸送現象の予測と解明③ 高性能熱電変換ナノ材料設計指針の提案とデータベース公開第1年度にあたる当年度では上記研究項目のうち、項目①と項目②を実施した。項目①に関しては、既に開発済みの多電子波束ダイナミクス法によるプロトタイプ電気伝導シミュレータの改良を行った。具体的には、プロトタイプシミュレータにオーダーN法を導入することによりシミュレータの高速化を行った。また、これにより従来に比べてより大規模なシステムでの計算が可能になった。具体的には数100nmから数μm程度のカーボンナノチューブという現実と同程度の大きさのシステムでの計算を実行できるようになった。項目②に関しては、項目①で改良したシミュレータを用いて多体相関効果によって引き起こされる新規物理現象の予測と解明に注力した。当年度は、カーボンナノチューブ中にランダムに導入された不純物が電気伝導に与える影響について解析を行い、シミュレータの有用性を確認した。本研究の成果をJapanese Journal of Applied Physicsへ投稿し、受理された。
2: おおむね順調に進展している
第1年度においては交付申請書に記載した研究計画通りに研究を進めることが出来たと考えている。そのため、研究目的の達成度は②順調に進展しているとした。
第2年度においても、交付申請書に記載した研究計画に則って研究を遂行する予定である。
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Japanese Journal of Applied Physics
巻: 52 ページ: 04CJ06
10.7567/JJAP.52.04CJ06
巻: to be published ページ: to be published
AIP Conference Proceedings