研究課題
持続的な発展という社会要請から、熱電変換材料に関する基礎研究の重要性が益々高まっている。本研究は、物性物理学と計算科学の立場からこの問題に貢献することを目指し、波束ダイナミクス法による熱電変換解析シミュレータの開発を行なうことを第1の目的としている。このシミュレータは、電子間相互作用の効果を容易に取り込むことのできる特徴を持つため、従来の手法と比較して一般性があり、その開発には高い学術的意義が有る。また、開発したシミュレータを様々なナノ物質に適用することで、熱電変換材料物性の理論予測と解明を行なうことを目指した。昨年度は、開発済みの多電子波束ダイナミクス法による電気伝導シミュレータの改良とその応用に取り組み、カーボンナノ物質での電気伝導における不純物効果や、ナノシリコンチャネルにおける多体相関効果を取り込んだ計算を行なった。本年度は2年目の研究計画に基づき、昨年度用いた電気伝導シミュレータの熱電変換解析シミュレータへの拡張に取り組んだ。研究計画に記したようにシミュレータ開発を最優先に研究を行うことで、本研究によって線形応答理論と波束ダイナミクス法をベースとした熱電変換解析シミュレータのプログラムコード開発に成功した。また、ユビキタス元素であるシリコンナノ物質(シリコンナノワイヤ)への応用に取り組んだ。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Japanese jouranl of applied physics
巻: 52 ページ: 06GD07
10.7567/JJAP.52.06GD07
Japanese journal of applied physics
巻: 52 ページ: 04CJ06
10.7567/JJAP.52.04CJ06