研究課題/領域番号 |
24860059
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
吉田 周平 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (10632606)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | ホログラフィックデータストレージ / ストレージ / ホログラム / HDS |
研究概要 |
本年度のホログラフィックデータストレージ(HDS)に関する研究実施状況は以下の通りである。球面波シフト多重方式を用いたHDSの記録再生光学系構築し、その基本的な記録再生特性を評価した。球面波シフト多重方式は記録媒体を移動(シフト)させるだけでホログラムを多重記録できるといった特徴がある。そのため、従来広く用いられていた角度多重方式と比較すると、光学系を簡素に構成できる。 予備的実験では回折効率のシフト選択性を評価し、記録媒体の面内平行方向とともに厚さ方向にもシフト選択性が現れることが確認できた。同様の結果は、スカラー回折理論とボルン近似に基づいた数値解析にもよって得られた。これらの結果に基づき、媒体の面内平行方向と厚さ方向のシフト選択性を組み合わせた多次元シフト多重記録のための光学系を構築し、その有効性を検証した。実験結果は多次元シフト多重記録が原理的に有効であることを示しており、HDSのさらなる大容量化のために有用な知見が得られた。 上述の研究に加え、透過型と反射型を併用した記録再生光学系の評価を行った。ホログラムの記録方法としては物体光と参照光を媒体の同じ面に入射させる透過型記録と、互いに反対の面に入射させる反射型記録がある。本研究では透過型・反射型記録を併用した記録再生光学系を構築し、記録媒体の両面を使用した透過型と反射型の同時記録が可能であることを実証した。記録媒体の両面をホログラムの記録に使用することで媒体のダイナミックレンジを効率的に使用して多重記録を行えるため、透過型あるいは反射型記録だけの場合と比較して記録密度の向上が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
球面波シフト多重方式を用いたHDSの記録再生光学系構築し、その基本的な記録再生特性を評価した。予備的実験では回折効率のシフト選択性を評価し、記録媒体の面内平行方向とともに厚さ方向にもシフト選択性が現れることが確認できた。また、透過型・反射型記録を併用した記録再生光学系を構築し、記録媒体の両面を使用した透過型と反射型の同時記録が可能であることを実証した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に得られた予備的な実験結果をもとに、より実用的なシステムを設計し、記録再生システムとともに信号処理システムを構築する。
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