研究課題
本研究では、ホログラフィーの原理を応用した次世代のストレージであるホログラフィックデータストレージにおいて、球面波を参照光として用いる球面波シフト多重方式の大容量化を目的としている。球面波シフト多重方式は記録媒体を移動(シフト)させるだけで多重記録が行えるため、光学系を簡素にできるといった長所がある。本年度は球面波シフト多重方式を用いたホログラフィックデータストレージの実用的な実証に取り組んだ。具体的には、x、y、z方向の3軸自動ステージを用いて測定した各軸方向のシフト選択性の結果と、回折理論に基づくシミュレーション結果から最適な記録再生条件を明らかにし、大容量を実現可能な多重記録方法を検討した。その結果、信号光と参照光の入射方向に対して平行な平面には鋭いシフト選択性が生じるが、垂直方向に対してはシフト選択性が劣ることが明らかとなった。そこで、3軸自動ステージに加えて回転ステージを加えた実験系を新たに構築し、シフトと回転を組み合わせた多重記録方式を検討した。実験結果から、回転ステージを組み合わせることで、記録媒体のダイナミックレンジをより有効に利用した多重記録が行えることが分かった。これと並行して、シミュレーションによる回折特性やクロストークの影響を評価し、実用的な記録条件の検討を行った。本研究により、大容量化のための有用な知見が得られたと言える。これらの結果は学会、国際会議および査読付き論文として発表した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (19件)
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