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2012 年度 実績報告書

コンクリート用疎水性塗料におけるトリチウム透過機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24860071
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

枝尾 祐希  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究員 (70633858)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワードトリチウム / コンクリート / 塗料 / 透過
研究概要

コンクリート建屋内にトリチウム漏洩した場合のトリチウム汚染や除染に関する基礎データ蓄積の為、コンクリート壁用塗料のトリチウム移行のメカニズムを明らかにすることは重要である。塗料におけるトリチウム移行は、吸脱着、溶解、拡散、同位体交換反応といった基礎移動現象が総じて起こるものと考えており、本研究では、各種塗料のトリチウム透過挙動の過渡変化と定常状態を実験的に求め、実験結果の解析により各基礎現象の定量を目的としている。
本年度は、実験装置の新規製作から開始した。エポキシ樹脂系塗料を成形した膜を試料として用い、曝露法及び透過法を実験手法として、トリチウム雰囲気に曝した塗料のトリチウム移行挙動を測定した。エポキシ塗膜からのトリチウム浸透、浸出挙動を測定した結果、塗膜の厚みを0.2~5.5mmの範囲で変えた場合には、単位重量当たりのトリチウム捕捉量は塗膜厚に関わらず一定であった。また、0.5㎜以下の塗膜のトリチウム捕捉量は1日以内で飽和となった。よって、エポキシ塗膜のトリチウム浸透と浸出は速く、均一に捕捉されることが明らかになった。エポキシ塗料単体からのトリチウム放出速度とエポキシ塗布状態のセメントペーストからの放出速度を比較すると、後者の方が遅く放出挙動に大きな違いが現れた。したがって、塗料塗布状態のトリチウム移行については、セメントペースト‐エポキシ塗料界面での移動抵抗が支配的となっていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験装置の整備が完了し、塗膜へのトリチウムの透過試験を開始している。本年度は学会発表までには至っていないが、順調にデータの取得を行っている。トリチウム水蒸気曝露法によってエポキシ塗料のトリチウム浸透及び浸出速度を定量し、コンクリート材‐塗料間のトリチウム移行特性についての新たな知見を得ている。

今後の研究の推進方策

各種塗料についてトリチウム透過データの取得を継続して行う。塗料によっては透過速度が変わってくるため、特に透過しにくい塗膜試料で実験を行う際は、実験手法を透過法に限らず曝露法も適用し、実験データ取得方法の改善等、適宜工夫しながら研究を遂行する。トリチウム移行の律速過程を仮定した解析計算により、透過係数や拡散係数を定量する。得られた結果からコンクリート材‐塗料界面、塗料塗布状態のコンクリート材料の総括的なトリチウム移行挙動について考察し、成果をまとめる。

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公開日: 2014-07-24  

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