研究課題
本研究では、植物ミトコンドリアの様々な生体機能のレドックス制御について、分子基盤から生理応答に至るまで幅広く解明することを目的としている。平成24年度までに、レドックス制御に中心的な役割を果たすチオレドキシン(Trx)のミトコンドリア内標的候補タンパク質を、網羅的に捕捉・同定した(Yoshida et al. 2013 Plant Cell Physiol.)。平成25年度は、詳細な生化学実験によるレドックス制御の分子基盤の解明と同時に、シロイヌナズナTrx欠損株を用いたレドックス制御の生理応答の解明にも着手した。生化学実験では、いくつかのTrx標的候補タンパク質について、Trx依存的な還元やそれに伴う酵素活性への影響を明らかにした。生理応答に関しては、in vivoにおけるレドックス状態を可視化する実験系を構築し、ミトコンドリアTrx標的候補タンパク質のレドックス状態を分析した。その結果、Trx欠損株において、いくつかのタンパク質のレドックス状態が野生株と異なっているという結果が得られた。これらの結果は、生きた植物のミトコンドリア内で、Trxを介したレドックス制御システムがミトコンドリア機能調節に働いていることを強く示唆するものである。本研究成果は、平成25年度内に2つの学会で報告した。また、現在投稿論文として執筆中である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant and Cell Physiology
巻: 54 ページ: 875-892
10.1093/pcp/pct037
http://www.res.titech.ac.jp/~junkan/Hisabori_HomePage/index.html