環境汚染物質の一つである重金属は活性酸素の産生を含む様々な要因で細胞および個体に障害を与えることが知られている。生物はこれを感知し、その要因を除去し、また、ダメージを修復するためのさまざまなシステムを備えている。本研究では、重金属ストレスに対する応答機構を明らかにする目的で、神経伝達物質セロトニンが銅ストレスのセンサーとなる可能性について線虫を用いて検討し、その可能性を見出した。さらに、ヒトの腎組織の一部である近位尿細管上皮細胞のカドミウムストレス応答において、PI3K/Akt経路が転写因子FOXO3aおよびATF4の発現量の制御を介して重要な役割を担っている可能性を見出した。
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