精子は精巣上体通過中に、内腔液から機能性分子を選択的に取り込むことで受精能力を獲得する(精巣上体成熟)。最近、このプロセスが精巣上体で分泌されるエクソゾームにより仲介されることが報告されたが、選択的分子獲得に関わるメカニズムは明らかではない。本研究では、精巣上体成熟機構を細胞膜の機能解析を通して解明することを目的とした。 その結果、精子はエクソゾームからタンパクを選択的に獲得する可能性が示唆された。また、タンパクの獲得を制御する精巣上体管内腔液のpH調節には、上皮細胞群における細胞内シグナリング経路の関与が示唆された。さらに、エクソゾームは主に精巣上体頭部で分泌される可能性が示唆された。
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