研究課題
ミヤコグサー根粒菌の共生系における根粒内の糖・有機酸動態を明らかにするために、2年間で、2種の有機酸輸送体および1種の糖輸送体の解析を行った。まず有機酸輸送体に関しては、2種が根粒維管束の師部伴細胞で発現すること、その局在膜はそれぞれ内膜系と液胞膜であることを見出した。この2種について、アフリカツメガエルの卵母細胞を用いて、二電極膜電位法により各種有機酸およびアニオンの輸送能を測定したところ、1種についてリンゴ酸やコハク酸など2価の有機酸特異的な排出活性を有することを見出した。またこの輸送体は塩化物イオンや硝酸イオンなどのアニオンに対しても選択的に輸送する活性を有していた。もう1種の有機酸輸送体の輸送活性を測定したところ、リンゴ酸インジェクション時に弱い排出活性を有することを見出した。しかしながら、C末にGFP をつなげたコンストラクトを用いて卵母細胞における発現を確認したところ、非常に弱い蛍光しか観察されなかったため、卵母細胞以外の異種発現系で今後詳細な輸送解析を行う必要がある。一方、糖輸送体についても同様に実験を行い、根粒維管束の師部伴細胞で発現すること、ある糖を選択的に輸送することを見出した。これらの遺伝子発現抑制株は、単独では野生株と著しく異なる表現型は示さなかったため、エネルギー源として重要な糖および有機酸は複数の経路で制御されていることが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant and Cell Physiology
巻: 54 ページ: 585-594
10.1093/pcp/pct019