インドネシアスマトラ島リアウ州および、カリマンタン島中カリマンタン州の泥炭湿地に2つの観測サイトを設け、温室効果ガス発生量や溶存態有機炭素の観測を開始した。 天然林状態の森林・地下水位を下げるための排水のみを行った森林・伐採・火災・排水等の人為的攪乱を受けた調査地とその後にアブラヤシの植林を行ったサイトなど、顕著な土地利用の違いに着目して、地下水位の測定や地下水の採取、地表面からの温室効果ガス発生量を測定した。 約2か月に一回の頻度で現地に入り、観測を行った。シロアリ等有機物分解者の時空間分布とその活動量の調査も行い、土地利用変化との関連について解析している。同時に地下水観測井戸から地下水を採取し、溶存態有機態炭素や無機態窒素など各種溶存物質を測定した。溶存態有機炭素については、2次元核磁気共鳴を使った構造解析を行い、火災が起こることにより地下水の有機炭素の形態に変化が生じることが分かってきた。 本課題はスタート支援として、観測地点の設置等を行うことができた。今後継続して観測を続けることで、人為活動の影響により急激に変化する熱帯森林の物質循環の動態の解明を進める。
|