研究課題
叢生は顎骨と歯のサイズの不調和によってもたらされることから、歯の大きさを制御できれば、叢生の発現を抑制することが可能となる。一方、最近、上皮細胞と間葉細胞を高密度で区画化し歯胚を再構築する器官原基法が開発され、器官原基法による再生歯作製技術はほぼ完成したといえるが、再生歯のサイズの矮小、形態の不揃いといった問題が残されている。IGF-Iはインシュリンに類似した構造と機能をもつ増殖因子であり、種々の臓器の発生・成長に重要に関わる。福永らはIGF-I投与の妖精症患者で歯のサイズが増大することを報告しており、IGF-Iは歯の形態制御においても重要に関わることが予測されるが、歯の形態形成に及ぼすIGF-Iの役割はこれまで全く明らかにされていない。本研究では、歯の形態形成におけるIGF-Iの発現、分布、機能を系統的に解析し、歯の形態制御におけるIGF-Iの関与を明らかにする。本年度は、器官原基法によって再構築された再生歯胚を腎皮膜下移植または顎骨内移植することで、再生歯まで誘導し、これらの過程におけるIGF-I添加の影響を検討した。IGF-1 を添加して作製した再生歯胚は腎皮膜下に移植することにより歯として発生し、長径の増大が認められた。また、IGF-1 を添加して作製した再生歯胚を成体マウス顎骨内に移植したところ、サイズの増大した再生歯が口腔粘膜より萌出することが判明した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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