心磁図を用いることで、胎児においても高い時間分解能で心臓の電気生理学的活動を記録でき、心拍変動解析を行うことができる。健常胎児154例の154回の記録、先天性心疾患を有する胎児37例の57回の記録を対象として時間領域解析、周波数領域解析を含む心拍変動解析を行った。健常胎児において在胎週数の進行とともに全体的な心拍変動が大きくなる傾向があり、自律神経系の発達を反映すると考えられた。心不全を呈した先天性心疾患を有する症例では周波数領域解析でパワーが低下していたが、他の症例では明らかな異常はなかった。胎児の心不全の重症度評価などに心拍変動解析が有用である可能性がある。
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