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微量元素セレンは抗酸化作用だけでなく抗腫瘍作用も認められている。本研究では、正常細胞およびがん細胞に放射線照射を行い、セレン補充がそれぞれの細胞種に異なる効果を示すかを検討した。ヒト食道細胞では、50nM亜セレン酸ナトリウム添加により、X線2Gy照射72時間後における正常細胞の保護作用、およびがん細胞の細胞死誘導が観察された。また、マウスへの経口投与実験ではセレンの化学形により代謝や毒性が異なることが示された。これらのことは、セレン補充は放射線治療において補助的に利用できる可能性があるが、それぞれのセレン化学形の効果と安全性を検討する必要があることを示唆するものである。
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