研究課題/領域番号 |
24890040
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大熊 加恵 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00631136)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 緩和ケア情報システム / がん登録 / データベース |
研究概要 |
本研究は、「がん」と診断された患者について早期からの緩和ケア診療の介入を促し、適切な診療を行うためのデータベースである緩和ケア情報システム(Palliative Care Information System; PCIS)を新規に構築することを目的とするものである。H24年度は以下の2点を行う計画を立てた。即ち、(1) 緩和ケア診療での必要診療情報の抽出を行う、(2) 緩和ケア診療の他に、将来のがん登録を見越した必要診療情報の抽出を行う、というものである。 実際の成果として、(1)緩和ケア診療における必要診療情報の抽出を行った。その具体的な情報は、主な治療を行う担当科、原疾患に関する情報、症状、使用薬剤、合併症、家族環境(キーパーソンは誰か、同居者、家族関係)、在宅環境(在宅療養可能か)、経済状況、DNAR(do not attempt resuscitation;心肺停止時の蘇生を行わないこと)取得の有無が挙げられた。これらは、施設内での緩和ケア診療において必要な情報であるとともに、他院へ患者を紹介する際に切れ目のない緩和ケアを行うために必要な情報であった。さらに (2) 将来のがん登録を見越した必要診療情報の抽出については、本邦におけるがん登録を行っている施設での入力内容を調査した。その中心となっているのは国立がんセンターであり、データベースのソフトがその他の施設で使用できるようになっているが、当施設では、診療端末情報をデータベースへ移行するシステムはなく、数人がカルテ情報などを基にして手入力していた。同様のデータベースとして放射線治療における情報システム(RIS)が新規に当施設に導入されたが、診療端末情報との連携は困難な面が多かった。RIS導入の際の経験を生かした研究をH25年度に引き続き実行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H24年度は、研究の目的である緩和ケア情報システムの構築のうち、情報収集を行う計画であった。施設内で必要とされていること、他施設からの意見などを収集することができた。研究初年度としてはおおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、H24年度に得られた情報を基に、緩和ケア情報システムにおける実際の新規データベースの具体案を実際に作成する。
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