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2012 年度 実績報告書

B型肝炎ウイルスによる細胞質DNAセンサーを介した自然免疫回避メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 24890042
研究種目

研究活動スタート支援

研究機関東京大学

研究代表者

田中 康雄  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40422290)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワードB型肝炎ウイルス / 自然免疫 / DNAセンサー / HBx
研究概要

B型肝炎ウイルス(HBV)が宿主の自然免疫系を逃避し慢性感染を成立させるメカニズムは依然明らかではない。近年、細胞質に存在するDNA センサーを介したDNAウイルス排除のメカニズムが明らかとなり、本研究では1.HBVゲノムDNAは細胞質DNAセンサーにより認識されうるのか、2.また認識されうるとしたらHBVはどのようにこの自然免疫系を回避しているのかを明らかにする。HBVの複製に対する本自然免疫系の影響を検討するために、HBV DNAを導入したヒト肝癌細胞株HepG2.2.15で自然免疫関連分子(STING, TBK1など)をノックダウンし、培養上清中のHBV DNA量を検討したが明らかな差は認められなかった。今後は、細胞内でのHBVの複製状態を検討する予定である。またHBVタンパク(Large S, Middle S, Small S,Polymerase, Precore, Core, X)が自然免疫系を抑制する可能性に関して、HBVタンパク発現プラスミドとSTINGまたはTBK1を共発現させて、IFN-betaやISREプロモーターの活性化に対する影響を検討中である。一方でウイルスの複製に重要であると報告されているタンパクHBxに関して、既報のDNA センサー(DAI、DDX41、IFI-16)及び自然免疫関連分子(RIG-I, IPS-1, STING, TBK1)との相互作用を検討中である。近年、新規DNAセンサーの候補としてCyclic GMP-AMP synthaseやmeiotic recombination 11 homolog A (MRE11) も報告されており、これらの分子の関与に関しても今後検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HBVの複製に対する細胞質DNAセンサーを介した自然免疫自然免疫系の影響の検討は、HBV DNAを導入したヒト肝癌細胞株HepG2.2.15での自然免疫関連分子(STING, TBK1など)ノックダウン細胞は既に樹立しており、今後は細胞内でのHBVの複製状態を検討する予定である。またHBVタンパク(Large S, Middle S, Small S, Polymerase, Precore, Core, X)の自然免疫系に対する影響の検討は、すでにHBVタンパクやSTING、TBK1発現プラスミドを作成しており、IFN-betaやISREプロモーターと共発現させて活性化に対する影響を検討する予定である。HBxと既報のDNA センサー(DAI、DDX41、IFI-16)及び自然免疫関連分子(RIG-I, IPS-1, STING, TBK1)との相互作用の検討もすでにコンストラクトは作成済みである。以上のように本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

本研究に必要な細胞株や発現プラスミドなどは既に準備できており、一部の解析は既に開始している。今後は迅速にさらなる解析を進める。また今後の解析に用いる臨床検体の採取のため、当院でB型肝炎患者を診察している医師、及び肝癌治療を行なっている医師に協力を要請しているが、再度協力を仰ぐこととする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 試験管内再構成系を用いたSTINGによるI型インターフェロン 誘導メカニズムの解析2013

    • 著者名/発表者名
      田中 康雄
    • 学会等名
      第50回日本臨床分子医学会学術集会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20130412-20130413

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公開日: 2014-07-24  

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