歯質と歯科材料を結びつけるのに歯科用接着材が用いられている。強固で耐久性のある接着を得るには、歯質/接着材の界面の情報が極めて重要である。しかし、従来の手法では破壊が伴いかつ原子・分子レベルでの分析に至っていない。本研究では、物質の特定原子の電子状態、周辺原子の種類、配位数、結合距離が分かるX線吸収微細構造、その中でも表面敏感な手法を用いてCaの化学状態分析を行い、接着性モノマーとして多く使用されている10-メタクリロイルオキシデシルジヒドロジェンホスフェート(MDP)とハイドロキシアパタイトの界面は、MDP-Caを作ること、また条件によりその生成量が異なることが分かった。
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