Wntは組織の分化・発生と深く関わっているタンパクとして知られている。近年、Wntは炎症の組織破壊において重要な役割を果たすことが報告された。そこで我々は、歯周炎の発症過程を解明する為にWnt5aに焦点をおき、P.gingivalis LPS誘導のWnt5a遺伝子の発現メカニズムを検討した。 単球系細胞を用いてPI3K阻害剤にて前処理後、P.gingivalis LPSによる刺激を行ったところ、Wnt5a mRNA発現、IκBαタンパク分解、NFκBの転写活性が有意に上昇し、PI3KはP.gingivalis LPS誘導のNFκB活性およびWnt5a発現の負の調節因子であることが示唆された。
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