機械的負荷を与えた円板内で,電子顕微鏡にてデスミン陽性細胞の微細構造学的特徴について検討すると,これらの細胞は,大きな核を持つ大型の細胞で,細胞内小器官は疎であり,比較的分化度低い細胞と考えられた.デスミン陽性の突起状の細胞質を有しており,運動や遊走機能を持つと考えられた.また,陽性細胞の近傍には,微少な小血管の存在が認められた. 免疫組織学的検討では,VEGF(血管内皮細胞増殖因子)陽性細胞を,また,関節腔に接した円板の表層では,血管内皮細胞を標識するRECA-1陽性細胞が多数存在した. 以上より,機械的負荷を与えた関節円板内では,血管新生を含めた円板の治癒機転が生じていることが示唆された.
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