高尿酸血症は2型糖尿病をはじめ心血管疾患や肥満などの慢性炎症疾患と相関することが知られ、それらは相互に病態の進展に関与すると考えられている。これら病態の悪循環を理解するためには、病態の進展について両面から検討する必要がある。 糖尿病時の血清尿酸値上昇機序の探索において、腎近位尿細管での尿酸再吸収モデル細胞を用いた検討によってinsulinによる解糖系の亢進が再吸収を促進した。尿酸輸送体URAT1はlactateとurateを交換輸送することから、insulin刺激時の細胞内lactate量の変化について検討中である。 また、高尿酸血症と相関する心血管疾患についても検討したところ、血管内皮細胞において尿酸処理濃度依存的に尿酸取り込みクリアランスが増大した。また、尿酸処理によって尿酸排出に寄与する輸送体の発現及び輸送活性の減少が示されたことから、尿酸による輸送体の発現変動が尿酸蓄積を増大させて血管内皮障害を引き起こしている可能性が示された。
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