研究課題/領域番号 |
24890075
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
若江 亨祥 金沢大学, 医学系, 助教 (70638303)
|
研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
|
キーワード | HBV / 肝炎再活性化 / AID/APOBEC / 脱メチル化 / cccDNA |
研究概要 |
慢性肝炎モデルとして、HBV全ゲノムを持つレプリコンプラスミドをトランスフェクションする事で、cccDNAが肝細胞核に安定維持される系を①試験管内②マウスで樹立する事を目指している。①培養細胞ではこれまでヒト肝細胞株であるHepG2, Huh7を用いてレプリコンプラスミドのトランスフェクションを行ったが、バイサルファイトシーケンスに十分なcccDNAのコピー数が得られなかった。近年HepaRG及びHus-E2がHBVを効率的に増殖できる系として頻用されており、今後これらの系を用いてHBV慢性感染のin vitro実験系の樹立を目指す。②C57BL/6Jにハイドロダイナミクス法を用いたレプリコンプラスミドのトランスフェクションでは、PCR法でcccDNAを検出できなかった。引き続きBalb/cなど他のマウスの系、さらにはヌードマウスや scidマウスなどの免疫抑制マウスを用いてcccDNAを長期維持できる系の樹立を目指す。 ①②どちらの系も樹立でき次第AID/APOBECの発現の有無を分子生物学的に作り、慢性感染病態に差が出るかを見る。その評価は、ウイルスの複製活性(cccDNAのメチル化レベルとコピー数、各種ウイルス産物の定量)と病勢(漏出肝酵素量、マウス体重変化と生死、病理切片)の2つを行う。この際、メチル化レベルを変化させる因子(DNMTやTET)の発現を変動させAID/APOBECの寄与をよりよく見られるよう工夫をする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
慢性肝炎モデルとして、HBV全ゲノムを持つレプリコンプラスミドをトランスフェクションする事で、cccDNAが肝細胞核に長期維持される系を①試験管内、および②マウスで樹立する事を目指している。①培養細胞ではこれまでヒト肝細胞株であるHepG2, Huh7を用いてレプリコンプラスミドのトランスフェクションを行ったが、バイサルファイトシーケンスに十分なcccDNAのコピー数が得られなかった。②C57BL/6Jにハイドロダイナミクス法を用いたレプリコンプラスミドのトランスフェクションでは、PCR法でcccDNAを検出できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
慢性肝炎モデルとして、HBV全ゲノムを持つレプリコンプラスミドをトランスフェクションする事で、cccDNAが肝細胞核に安定維持される条件を①試験管内②マウスで樹立する事を目指している。今年度は①HBVを効率的に増殖できる細胞株であるHepaRG及びHus-E2を用いて、cccDNAが長期維持されるin vitro実験系の樹立を目指す。②Balb/cなど他のマウスの系、さらにはヌードマウスや scidマウスなどの免疫抑制マウスを用いてcccDNAを長期維持できるin vivo実験系の樹立を目指す。 ①②どちらの系も樹立でき次第AID/APOBECの発現の有無を分子生物学的に作り、慢性感染病態に差が出るかを見る。その評価は、ウイルスの複製活性(cccDNAのメチル化レベルとコピー数、各種ウイルス産物の定量)と病勢(漏出肝酵素量、マウス体重変化と生死、病理切片)の2つを行う。メチル化レベルを変化させる因子(DNMTやTET)の発現も変動させAID/APOBECの寄与をよりよく見られるよう工夫をする。
|