研究課題
本研究はAID/APOBECのヒトB型肝炎ウイルス(HBV) のcovalently-closed-circular DNA (cccDNA) に対するDNA脱メチル化活性の検討を目的とした。cccDNAの検出にあたり、サザンブロット法にかわり環状DNAを特異的に増幅するRolling Circular Ampification (RCA)を立ち上げ、実際にHBV全長ゲノムが挿入されたヒト肝細胞株から検出できる事を確認した。ヒトB型肝炎ウイルスの代替モデルとして、より1細胞あたりのcccDNAコピー数の多いDuck Hepatitis B Virus (DHBV)ゲノムを安定発現したニワトリ肝細胞株を用いた。cccDNA選択的バイサルファイトPCR法を用いて評価した結果、APOBEC3Gの異所性発現によりメチル化の減少を認め、APOBEC3がcccDNAのメチル化を抑制している事が示唆された。AID/APOBECがHBVゲノムを脱メチル化するという作業仮説をヒトパピローマウイルス(HPV)にも演繹した。持続感染が成立した子宮頸部及び皮膚の基底細胞では、HPVゲノムはHBV同様環状二本鎖DNAとして存在する。HPV16陽性細胞株であるW12を用いてAPOBEC3A及び3Gを強制発現したところ、Long Control Region(LCR)のメチル化の低下を認めた。HBVと同様にAPOBEC3がHPVゲノムのメチル化を抑制している可能性が示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Virology
巻: 88 ページ: 1308-1317
10.1128/JVI.03091-13.