研究課題/領域番号 |
24890077
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
知野 剛直 福井大学, 医学部附属病院, 医員 (20521397)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 末梢血液 / マウス胎仔 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
本研究は、①マウス胎仔期E12.5-13.5の血液内のみに存在する万能性が高いDorsal Aorta Mesenchymal stem cells(DAMSCs) PDGFRα+MSCs(間葉系幹細胞)を効率よく血液中から回収するシステムを構築し、②回収したPα+DAMSCsを胎仔期循環系に投与することで皮膚発生初期段階の毛包周囲に効率よく生着させることが出来るのかを確認する。さらに③モデル疾患マウス胎仔期に、この効率よく回収したPα+DAMSCs細胞を投与することでさらなる治療効果が得られるのかを明らかにしたいと考えている。 現在、マウス胎仔末梢血液の研究を行う前に、末梢血および骨髄間葉系幹細胞の単離・確保が比較的容易であるadult mouseで実験手技の検討・条件設定を行っている。生後6週のadult mouse骨髄内Lin-・ckit-・PDGFRα+・7-AAD-・BMCSは、0.038%であった。 今後、マウス胎仔期のPDGFRα+MSCsおよびHSCの骨髄への遊走開始時期を正確に解析し、同時期の末梢血・肝臓・骨髄・胎盤等の諸臓器における分布の増減を把握する。骨髄幹細胞が骨髄にホーミングするを阻害する試薬であるAMD3100など]を胎仔循環系内に投与し、細胞特異的な遊走シグナルの阻害、賦活により、効率的なPDGFRα+MSCsの遊走条件を把握する。マウス胎仔末梢血からPDGFRα+MSCsを回収率をできる条件を導きだす予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
H24年度は、教室環境が整わず、スムーズな研究遂行ができなかった。しかし、現在では、細胞培養室および実験器具の確保、動物実験のための動物施設および実験器具の確保、-20°・-80°冷蔵庫の確保、遠心機の確保など、ようやく実験を進める研究環境が整ったため、今後の研究遂行は順調に進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1、妊娠13日目マウス胎仔(P13 embryo)抹消血を回収し、dish上で分化誘導(脂肪・骨・軟骨)をかけ胎仔末梢血中の間葉系幹細胞(DAMSCs)の存在を確認する。2、P13 embryoの抹消血を回収し、胎仔末梢血中のPDGFRα+DAMSCsのpopulationをFACS(CantII)にて測定する。3、P13 embryoから、胎仔末梢血PDGFRα+DAMSCsをsorting(Area)し、dish上で分化誘導(脂肪・骨・軟骨)をかけ胎仔末梢血内間葉系幹細胞(DAMSCs)がPDGFRα+cellであり、分化能力が高いことを確認する。4、皮膚抽出液精製する。市販されていmigration活性を有する蛋白質(PDGF-AA、PDGF-BB、bFGF、VEGF、IGF-1、BMB2、BMB4、TGF-β1、TGF-β3、HGF、IL-3、SDF-1a)を購入する。5、皮膚抽出液及び市販蛋白質をP13‐14embryoの循環血液内に投与し、PDGFRα+DAMSCsが血中に動員されて血液内に増えるか確認する(FACS CantII)。6、皮膚抽出液及び市販蛋白質をP13 embryo(GFP mouse)の循環血液内に投与し、PDGFRα+DAMSCsをsorting(Area)し、1週間程dish上で培養し細胞数を増やす。7、遺伝子疾患モデルマウスP13 embryoの循環内にdish上で増やしたGFP transgenice mouse胎仔期循環内PDGFRα+DAMSCsを投与し、治療効果をみる。
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