今後の研究の推進方策 |
速やかに、タンパクレベルでのTRPM2 とGSK3βの発現変動及び活性の確認を行う。また、TRPM2LOW細胞株とGSK3βLOW細胞株を使って、TRPM2とGSK3βの相互関係(クロストーク)を確認する。 双極性障害特異的なTRPM2バリアント(TRPM2-1456Lys)の生物学的意義を同定するために、研究代表者が以前に構築したFlag tag付のTRPM2発現ベクターとQuikChange Multi Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE) を使って、TRPM2-1456Lys発現ベクターを構築する。この発現ベクターをU-87MG細胞に導入し、この双極性障害特異的なTRPM2-1456Lysバリアントが安定に発現する細胞株を作製する。その上で、①TRPM2とGSK3βの相互関係(クロストーク)、②U-87MG細胞における最適化されたリチウム濃度(1.0 mM)といった結果を用いて、以下の実験を行い、双極性障害特異的なTRPM2-1456Lysバリアントの機能解析を行う。1)1.0 mM LiCl(期間:0, 1, 3, 7日)投与した際のTRPM2-1456Lys及びGSK3βの発現変動をリアルタイムRT-PCR、ウエスタンブロット及びELISA法を用いて定量的に検証する。2)1.0 mM LiCl(期間:0, 1, 3, 7日)投与した後、蛍光プローブFura2AM(同仁化学)を使用して、H2O2による酸化ストレスを負荷した際の細胞内カルシウム動態を測定する。3)細胞の生存率をMTT法によって測定する。 研究が当初計画どおりに進まない時は、研究協力者らから支援を頂きながら、年度内に上記研究計画を遂行していく。得られた結果は、取りまとめて国際学会で発表を行い、論文として雑誌上でも発表を行う。
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