研究課題
本研究は心肥大、心不全の発症過程において上昇するlong intergenic non-coding RNA (lincRNA)の機能を解析することで、同疾患の病態解明を目的とする研究である。特に我々は3つのlincRNA-HFが心肥大や心不全のモデルマウスにおいて、有意に上昇してきていることを同定しており、それらのlincRNAの機能を検討した。1.lincRNA-HFの生体内における機能を解析する。我々が着目している3つのlincRNA-HFの中で進化の過程で保存されている一つについて、ノックアウトマウスを作成するためにターゲティングベクターを作成した。2.マウス培養細胞心筋細胞を用いた、lincRNA-HFの細胞内での動態と機能の解析。内因性のlincRNA-HFの機能を調べるため、lincRNA-HFのノックダウンを試みた。shRNAやmiRNAを発現するコンストラクトを作成したが、これらのコンストラクトではlincRNA-HFの発現は低下しなかった。おそらく、非常にノックダウンが効きづらい安定した転写産物であると考えている。また着目するlincRNA-HFをマウス心筋細胞に過剰発現すると細胞肥大が誘導されたため、そのメカニズムを検討した。具体的には、内因性のmicroRNAと結合するかを培養細胞の系で評価したところ、着目するlincRNA-HFはいくつかの抗肥大作用を有するmicroRNAと結合することを発見した。この働きによりlincRNA-HFの過剰発現で、心筋細胞において細胞肥大が誘導されているのかもしれないと考え、現在このlincRNA-HFと結合するタンパク質(RNA結合タンパク)を同定しようと試みているところである。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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10.1038/ncomms3883
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http://kyoto-u-cardio.jp/kisokenkyu/metabolic/