腎細胞癌臨床検体を用いて、正常腎および癌部よりRNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行い、腎癌組織に特異的に発現上昇を認めたmiR-629について機能解析を進めた。miR-629阻害剤は細胞増殖能には影響を与えないが、細胞遊走能抑制効果を認めた。miR-629の標的候補としてSmad4を抑制するTrim33が予測された。miR-629阻害剤によりTrim33の発現の上昇を認め更に、miR-629阻害剤により形態学的に腎癌細胞株はより上皮に近い形態に変化したことから上皮間葉転換への関与が示唆された。これらの機能を阻害することで、新規核酸治療のターゲットとなりうるものと期待している。
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