我々が以前開発した腫瘍選択的増殖型アデノウイルス製剤(Telomelysin)の投与は現時点では局所投与に限定されるが、その全身投与の可能性を検討するために、GFP蛋白を発現するTelomelysin(TelomeScan)のプラスミドDNAを、リポソームに包埋した複合体(Lipo-TelomeScan-pDNA)の治療効果をin vitroにおいて検討したところ、種々のヒト固形腫瘍に対して抗腫瘍効果を認めた。中でもHCT-116(ヒト大腸癌細胞株)に対してはコントロールプラスミドDNAと比較し容量依存的に有意に高い抗腫瘍効果を認め、現在マウス背部皮下腫瘍に対して治療効果確認中である。
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