研究概要 |
本研究は炎症性中枢神経疾患モデルである実験的自己免疫性脳炎(experimental autoimmune encephalomyelitis; EAE)マウスに対 して,ヒト抜去歯牙より採取した歯髄幹細胞(dental pulp stem cells; DPSCs)を経静脈的に全身投与し,その機能回復効果ならび に傷害神経組織の再生効果を骨髄由来間葉系幹細胞(bone marrow-derived mesenchymal stem cells; BMMSCs)と比較・検討する事を 目的としている. 昨年度は, 生体内で免疫寛容獲得の指標となる抑制性T細胞(Tregs)の分化誘導および,炎症性Th17細胞の分化抑制作用をin vitro 共培養系で比較した結果, BMMSCs,DPSCsともにTregsの分化誘導および炎症性Th17細胞分化抑制効果を示したが, Tregsの分化誘導効果, 炎症性Th17細胞分化抑制効果のどちらにおいても,BMMSCsはDPSCsと比べてより高い効果を示す結果となった. 本年度はEAEモデルマウスにDPSCsまたはBMMSCsを全身投与し,その治療効果を比較検討した結果,EAEモデル於いて有意に低下したTregsがBMMSCs, DPSCsのいずれの投与群に於いても回復し,その誘導効果はBMMSCsのほうが有意に高かった.
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