研究概要 |
本年度の実績概要を以下に研究予定であった各項目に沿って報告する。 1、(1)と(2)は前年度に既に行った。(3)浸潤突起特異的候補分子のタンパク発現パターンと臨床病理学的背景との関係を検討:浸潤突起特異的候補分子の発現パターンとERやHER2ステータスといった既知の生物学的特性を含めた臨床病理学的背景との関係を解析し、悪性度規定因子の同定を模索する。→特定の分子に関して以上の解析を行い、論文として報告した。(Ito M, Hagiyama M, Mimae T, et al. Breast Cancer Res Treat. 2014 Feb;144(1):59-69.) 2、浸潤、悪性度を規定する候補分子の機能解析 (1)有望な分子に関して浸潤・転移に関する機能解析:上記の結果から悪性度を規定する可能性が示唆された分子に関してその後の解析を進める。分子生物学・細胞生物学及び実験病理学の手法を駆使してその分子の機能を明らかにする。→特定の分子に関して解析を行い、論文として報告した。(同上) (2)個別化治療のターゲットになるか否かの検討:上記実験で浸潤に関わることが確認された分子に関しては抑制実験(例えば浸潤傾向の強いヒト乳癌細胞株MDA-MB-231などを用いて)などを追加し、ヒト乳癌において新規治療標的となるか否かの可能性を模索する。→抑制実験は施行し得たが、臨床応用への可能性の検討は不十分で終了している。今後の研究課題として継続させたい。
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