本研究では、顎関節部に存在している関節円板に着目し、関節円板が下顎骨の成長発育に及ぼす影響について明らかにするとともに、下顎骨再生および成長発育が機能的顎矯正装置によって誘導されるかを検証する。そして、その科学的根拠に基づいて顎顔面骨格が良好に成長発育される新たな治療法を確立することを目的とする。 初年度の研究計画では、成長期ラットに関節円板切除術を施行された成長期ラットを用いて経時的な下顎骨の成長発育変化を組織学的に明らかにする。また、マイクロCT撮影を用い、三次元的画像解析を行う。さらに、ラットおよびブタ下顎頭軟骨細胞を用いて機械的刺激が骨形成に影響を与えているのかを詳細に検討し、その分子生物学的機序を明らかにする。 上記の研究計画どおり、成長期ラットに関節円板切除術を施行された成長期ラットを用いて経時的な下顎骨の成長発育変化を組織学的に検討を行い、下顎頭の経時的な組織形態学的変化を確認した。しかし、マイクロCTについては、マクロCTの予想外の故障がおこり、そめ間の実験計画変更を余儀なくされた。そのため、マイクロCTによる、三次元的画像解析は次年度(平成25年度)にはいってから行うこととした。また、このことによる全体の実験計画の遅れに対し、計画を再考し、期間内に成果を取りまとめられるよう対応した。
|