研究課題
研究活動スタート支援
LPSを用いたラット歯周炎モデルに外傷性咬合を付与した実験を行った。1)LPSによる歯周炎誘発と咬合性外傷誘発 LPSで免疫感作後、LPSを歯肉溝へ滴下し、同時に臼歯部咬合面に過高なinlayを装着することで外傷性咬合を与えた。その後屠殺し、組織標本を作製して病理組織学的検討を行い、外傷性咬合と歯周組織破壊の関係を検討した。H.E.染色切Jを用いて、セメントエナメル境(CEJ)から接合上皮の根面に接した歯冠側端までの距離をattachment lossとして計測した。また、破骨細胞の同定のため、各群の切片を用いてTRAP染色を行った切片にて、歯槽骨頂部から500 μmの骨面上に存在する多核のTRAP陽性細胞を、破骨細胞として計測した。免疫複合体検出のために、免疫複合体に最初に結合する補体成分であるC1の免疫組織化学的染色を行い、その局在部位を観察した。2)血清抗LPS IgG抗体レベル測定(ELISA法) 眼窩下静脈叢から血液サンプルを得た。血清中の抗LPS IgG抗体レベルは各々の血清サンプルを用いてELISA法により測定した。S. a.およびA. a.による歯周炎誘導実験を行った。1)細菌培養 S. a.培養:37℃で嫌気的に24時間培養した。 A. a.培養:37℃で嫌気的に24時間培養した。これらのS. a.および A. a.を遠心心分離して凍結乾燥した。2)A. a.およびS. a.による歯周炎誘発 A. a.およびS. a.の菌体破砕物で免疫感作後、A. a.およびS. a.を歯肉溝へ滴下し、歯周炎を誘発した。組織標本を用いてattachment lossを計測した。2)血清抗S. a.およびA. a. IgG抗体レベル測定(ELISA法) 眼窩下静脈叢から血液サンプル中の抗S. a.およびA. a. IgG抗体レベルをELISA法により測定した。
3: やや遅れている
免疫複合体形成の確認のための実験結果を分析した結果、期待した差異が対象間で見られなかったため、使用する抗体のスクリーニング及び実験条件の検討が必要となった。現在この問題は解決している。
追加として線維性コラーゲンの観察を行う予定である。また、細菌による歯周炎誘発モデルに咬合性外傷を誘発させる予定である。
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J Periodontal Res
巻: 4 ページ: 420-427
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