精神科病棟に入院中の女性患者を対象とした「娘グループ」の元コンダクターであった研究者が、娘グループの後継グループである「レディースグループ」で研究者として参加観察を行った。グループは、「娘グループ」時代と主要参加メンバーは変わらないものの、コンダクターの交代によって、その名称の変化に象徴されるような語りの内容の変化を見せた。新しいグループでは老いの受容、生々しい性的外傷体験、そして死をめぐる体験が語られる中で、それぞれの女性たちのレジリエンスが示された。レディースグループの実践から、看護師自身の家族の看取りといった個の体験と、専門職としてのケアをつなぐためのサポートが必要であると考えられた。
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