研究課題/領域番号 |
24890187
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
栗原 裕司 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00634552)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 神経科学 / 突起伸長 / シグナル伝達 / 神経再生 |
研究概要 |
本年度はLOTUSの神経突起伸長作用機構について解析した。申請者らは、LOTUSが網膜神経節細胞の神経突起を伸長させること、その神経突起伸長作用はLOTUSの結合分子Nogo receptor-1(NgR1)以外の未同定分子を介することを見出した。LOTUSの神経突起伸長作用に関わる分子を同定するため、LOTUS相互作用分子を探索する2種のスクリーニング法を検討した。(1)NgR1のノックアウト(KO)マウスの網膜神経節細胞に発現するcDNAライブラリーの作製。(2)NgR1のKOマウスの培養網膜神経節細胞に精製したストレプトアビジン結合タンパク質(SBP)融合のLOTUS(SBP-LOTUS)を結合させ、SBP-LOTUSと相互作用する分子を精製する実験。(1)に関しては当該網膜神経節細胞mRNAをcDNAライブラリー作製に必要とされる量の約10%収集した。(2)に関してはSBP-LOTUS発現プラスミドの構築が完了した。 本研究課題はLOTUS相互作用分子の同定が極めて重要であることから、申請者は、LOTUSの相互作用分子を探索するもう一つのスクリーニング手法に、レチノイン酸により神経分化させたマウス神経芽細胞腫由来の細胞株Neuro2Aを用いた。神経分化Neuro2Aにアルカリホスファターゼ融合のLOTUSが結合することを明らかにした。さらに、LOTUSは神経分化Neuro2Aの神経突起を伸長させることを見出した。この結果は、神経分化させたNeuro2AにLOTUSの神経突起伸長に関わる分子が発現および機能していることを示唆する。神経分化させたNeuro2Aから、SBP-LOTUSと相互作用する分子を精製する実験を行うために、申請者はSBP-LOTUS安定発現株Neuro2Aを樹立した。来年度は以上3種のスクリーニング法を用いて、LOTUSの相互作用分子の同定を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LOTUS相互作用分子を探索する各スクリーニング法において、材料の作製がおおむね完了していることが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、本年度作製した材料を用いて、研究実績の概要に記載した3種のスクリーニング法により、LOTUSの相互作用分子の同定を行う予定である。
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