平成23-26年度科学研究費補助金による基盤研究(B)「軽度認知機能障害の発生要因に関する前向き追跡研究」(研究代表者:渡辺能行) に基づく追跡調査(下記1)~3))に加えてを主な追加研究(下記4)及び5))として実施した。平成24年度は調査実施日を12月~3月の間で、計10日間行い、対象者は145名であった(MRI撮影を1名拒否)。調査では下記のようなデータを収集し、データの入力作業及び細菌検査等は適宜行った。 1) 認知症の調査の実施・臨床情報の把握【①脳MRI検査、②脳高次機能検査、③血液・尿検査:総コレステロール値、中性脂肪、βリポ蛋白、HDLコレステロール、γ-GTP、総蛋白質、クレアチニン、BUN、尿検査(蛋白や潜血、アルブミン)等、④ベースライン調査後の健康状態・生活習慣と罹患疾患の調査(10年間の追跡調査中の生活習慣の変化や生活習慣病、既往歴等の把握を行った。)】 2)頭部MR検査画像(無症候性微小脳出血の有無を含む)読影・経時変化の解析 3)10年間にわたる追跡調査での認知機能低下群の同定:頭部MRI画像と臨床情報にもとづいて、認知機能低下群の同定を行う。アルツハイマー型,脳血管型,混合型認知症に分類を行った。 4)口腔内状況の診査、唾液採取、口腔保健に関するアンケートの実施:口腔内診査(歯数、歯式、う蝕歯数、補綴率等)、CPI検査(Community Periodontal Index:地域歯周疾患指数)および唾液採取を行い、客観的口腔内状況を把握。口腔保健に関するアンケートにて、口腔清掃習慣・口腔保健への意識・現在の口腔内の主観的状況を把握する。 5)唾液内う蝕原性細菌の分離と同定:唾液サンプルからS. mutansを選択培地を用いて分離し、細菌DNAを抽出後、PCR法を用いてコラーゲン結合蛋白をコードする遺伝子の存在を検討した。
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