本研究は、がん免疫療法における、抗腫瘍効果のサロゲートマーカーについての検討、並びに温熱療法が免疫療法の効果増強の手段となりうるかどうかを検討することを目的としている。免疫療法の現在の問題点として、免疫治療介入における抗腫瘍効果を反映する適切なマーカーが存在しない事、また免疫療法を行う際の抗腫瘍効果増強の方法論が確立されていない事である。申請者らの検討にて、免疫治療を行うことによる効果判定のマーカーとして末梢血のIFNγ産生能が全生存期間と相関する可能性を示唆するデータを得た。また、申請者らは以前からがん治療として温熱療法を積極的に行っているが、近年温熱療法が腫瘍免疫に有利な作用を及ぼすことが判明してきた。そこで、①末梢血のIFNγ産生能が、各種免疫療法の効果判定のサロゲートマーカーとなりうるかどうかの基礎的検討②各種免疫療法に、温熱療法を加えることで、効果増強がされ得るかどうかの基礎的検討を計画した。 本年度の計画として、担がんマウスモデルにおける、ナイーブT細胞、又は高純度NK細胞を用いた末梢血のIFNγ産生能などについての検討、担がんマウスモデルにおける、ワクチン接種による末梢血のIFNγ産生能などについての検討を行う予定を立てた。 サロゲートマーカーとしての、マウス末梢血のIFNγ産生能を、非担癌マウス、担癌マウスから、末梢血を採取し、PHA刺激を行い、IFNγ産生能を検討した。他の研究者の検討から、PHA濃度を推定し、検討を行った。PHA濃度条件を変え、末梢血にてのIFNγ産生能が濃度依存的に上昇することを確認した。
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