患者調査結果及び人口動態調査結果を基に、生活習慣変化の世代間差を踏まえて出生世代別に脂質異常症患者数と虚血性心疾患と脳卒中の患者・死亡者数の経年推移を算出し、相関係数を検出したところ、死亡者数では相関は認められなかったが、患者数では相関が認められた。また、A県の約20年間の健診データより出生世代別の脂質系検査値推移と喫煙状況、食生活の変化等の関連性を検証したところ、若年世代では喫煙率は低下する一方、脂質摂取量と頻度が増加し、脂質系検査値に世代間差が生じる要因と考えられた。これらから、若年世代は虚血性心疾患及び脳卒中のリスクが高く、保健指導を行う際の優先順位として考慮する必要性が示唆された。
|