研究課題/領域番号 |
24890213
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
川本 美香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (10633703)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 看護学 / 協働的パートナーシップ / 保健指導 / 保健師 / 関係形成 |
研究概要 |
本研究は、特定保健指導に焦点をあて、保健師と対象者の協働的パートナーシップの特徴である“状況に応じて柔軟に変化する関係性”に着目し、保健師が用いている関係形成技術を明らかにしたうえで、効果的な特定保健指導を実現する関係形成のためのガイドラインを開発することを目的としている。平成24年度は、前述の目的に対して、1.協働的パートナーシップの特徴と保健指導のプロセスを踏まえ、効果的な特定保健指導を実現する関係形成技術についての理論的枠組みを作成する、2.参加観察法(非参加型)と面接調査により、実践で活用されている関係形成技術を明らかにする、という目標をたて、研究を進めた。まず、生活習慣病の予防を目的とした保健指導技術に関する記述がされている文献を収集・活用し、看護専門技術、関連領域における関係形成技術について抽出し、「パートナーシップ」という概念のもとに整理した。その結果から、「看護職者を含む保健医療専門職者による教育的関わりを必要とする活動におけるパートナーシップ」について、活動を共にすすめていく中での活動に対する看護専門職者を含む保健医療職者による関係形成の方略を含んだものであり、両者の成長を導き、活動を発展させ、人々の健康状態の改善につながる力動的な関わり合いの過程であることが明らかになった。考察の結果、協働的パートナーシップの形成には、「専門職者は成長の契機を見据え関わり合いの道筋をつくる」ことが要であり、対象者の成長を後押しできる関わりを選択したり、対象の主体性が保たれる距離を見極めて関わっていることが示唆された。これらを踏まえインタビューガイドを作成した。現在、2.に向けて本研究の主旨、研究方法、倫理的配慮について記載した研究協力依頼書と研究計画書を作成し、本学倫理審査委員会への提出を進めているところである。平成25年度は調査を進め、ガイドラインの作成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は、1.協働的パートナーシップの特徴と保健指導のプロセスを踏まえ、効果的な特定保健指導を実現する関係形成技術についての理論的枠組みを作成する、2.参加観察法(非参加型)と面接調査により、実践で活用されている関係形成技術を明らかにする、という目標のもとに研究を進めてきた。しかし、1.の理論的枠組みの作成・洗練化に時間を要したことにより研究の遅れが生じた。また、年度末は保健指導機関の業務が煩雑になることもあり、調査の依頼を行うことは、研究協力者への負担が生じると考え、工程の調整を図った。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、2.参加観察法(非参加型)と面接調査により、実践で活用されている関係形成技術を明らかにする、3.1.2.を統合して、保健指導のプロセスを軸に協働的パートナーシップを基盤とした特定保健指導における関係形成技術を構造化する、4.「効果的な特定保健指導を実現する関係形成のためのガイドライン(第一案)」を作成する、ことを目指す。
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