1.変異FUS患者由来iPS細胞を用いた検討 前年度に引き続き、スーパーコントロールとしての百寿者からのiPS細胞の解析を行った.百寿者由来神経細胞レベルで、Aβおよびαsynucleinをバイオマーカーとした研究におけるコントロールとして応用可能であることが示された.本研究より、超高齢者の亡くなられたあとの皮膚からでもiPS細胞樹立は可能であり、神経変性疾患研究へ応用が可能であることが示され、早期診断法や新規治療薬の開発につながるものと考えられる. 2.変異型FUS Tgマウスの作製と分子メカニズムのin vivo解析において、C末端の欠損株(△C-FUS)の変異型FUS Tgマウスの表現型評価を行った.経時的に体重測定、運動機能評価(rota-rod treadmill、hanging wire test)、異常反射(abnormal limb reflex)の出現の有無について、評価を行ったが、経過期間中(生後50週まで)において明らかな異常所見は認められなかった.また、組織学的な検討において、△C-FUSの変異型マウスにおいて核移行の障害を認め、細胞質へFUSの蓄積を認めたが、明らかな神経変性は認められなかった.よって、我々は、さらなる検討を行うために、ホモ接合体の変異型FUS Tgマウス(△C-FUS)の作成およびTDP-43とのdouble TGマウスの作成を行って、表現型の解析を進めている.
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