• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

治療抵抗性前立腺癌の進展と、がん微小環境応答に着目した新規治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24890230
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

小坂 威雄  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30445407)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード前立腺癌 / 微小環境 / 去勢抵抗性前立腺癌
研究概要

①CRPCの進展に伴って変化する血管新生とがん微小環境ネットワークの解析:多くの癌において微小環境における血管新生の意義が明らかにされつつあるが、PCaにおいて、臨床的に予後因子や治療標的になり得るのか、その制御機構を含めていまだ明らかにはなっていない。そこでPCa臨床検体における領域別の各種血管新生マーカーを施行した。東北大学加齢医学研究所 佐藤教授から抗体を供与して頂き、血管新生関連因子VASH1の発現と、各種病理学的因子と、Gleason score、PSA再発などの臨床的因子を含めた統計学的解析を施行したところ、VASH1の発現がPSA再発予測因子であることが明らかになり報告した(Kosaka T. et al. Br J Cancer 2013, in press)。
②CRPCの進展に伴って変化するアンドロゲンとがん微小環境
アンドロゲンーアンドロゲン受容体(Androgen-Androgen Receptor:AR axis)経路は前立腺癌(Prostate Cancer: PCa)が去勢抵抗性前立腺癌(castration resistant prostate cancer: CRPC)へと進展した場合においても中心的役割を有しているが、リガンド供給源としてのステロイド産生系の意義は不詳である。そこでCRPCにおける5α還元酵素活性の生化学的解析を施行した。ヒトCRPC細胞株C4-2と、C4-2AT6(6月間のアンドロゲン除去下で培養し、安定的に増殖活性を有する株として当教室で樹立された細胞株)を解析した。C4-2AT6における5α還元酵素活性の存在とDHT産生能の低下が証明され、報告した(Kosaka T. et al Scientific Reports 2013)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

①CRPCの進展に伴って変化する血管新生とがん微小環境ネットワークの解析に関し、PCa臨床検体における領域別の各種血管新生マーカーを施行し、東北大学加齢医学研究所 佐藤教授から抗体を供与して頂き、血管新生関連因子VASH1の発現と、各種病理学的因子とPSA再発などの臨床的因子を含めた統計学的解析を施行したところ、VASH1の発現がPSA再発予測因子であることが明らかになり報告することができた(Kosaka T. et al. Br J Cancer 2013, in press)。
②CRPCの進展に伴って変化するアンドロゲンとがん微小環境に関しリガンド供給源としてのステロイド産生系特にCRPCにおける5α還元酵素活性の生化学的解析を施行しCRPCにおける5α還元酵素活性の存在とDHT産生能の低下を証明することができ、報告することができたため、(Kosaka T. et al Scientific Reports 2013)。

今後の研究の推進方策

本年度は、抗がん治療薬(ドセタキセル、カバジタキセル)、分子標的治療薬(sorafenib, sunitinib, everolimus)と、局所アンドロゲン産生阻害剤(CYP17A阻害剤:Abiraterone, TAK-700)や小分子化合物(ERK, TGF-β/SMAD, Wnt/cateninなどのシグナル伝達阻害剤)投与下での、相加相乗効果について、平成24年度に明らかになったがん微小環境に着目して検討し、これら薬剤の有用な併用方法や投与タイミングを明らかにしていく。各種シグナル伝達機構でのフィードバック機構についても合わせて解析することで、CRPCにおける進展に応じた、包括的な治療戦略の分子基盤を追究することで、研究は遂行される。研究費は患者への還元という観点から有意義に活用されると考える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Human castration resistant prostate cancer rather prefer to decreased 5α-reductase activity2013

    • 著者名/発表者名
      Takeo Kosaka
    • 雑誌名

      Scientific Report

      巻: 3, 1268 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1038/srep01268.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The prognostic significance of vasohibin-1 expression in patients with prostate cancer2013

    • 著者名/発表者名
      Takeo Kosaka
    • 雑誌名

      Br J Cancer

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      in press

    • 査読あり
  • [学会発表] アンドロゲン産生系に着目した去勢抵抗性前立腺癌の生化学的解析2013

    • 著者名/発表者名
      小坂 威雄
    • 学会等名
      第101回 日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      北海道
    • 年月日
      20130424-20130428
  • [学会発表] 去勢抵抗性前立腺癌における5α還元酵素活性の解析2013

    • 著者名/発表者名
      小坂 威雄
    • 学会等名
      第22回 泌尿器科分子細胞研究会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      20130308-20130309
  • [学会発表] 進行前立腺癌におけるアンドロゲン産生系の解析2012

    • 著者名/発表者名
      小坂 威雄
    • 学会等名
      前立腺シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121208-20121209
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi