研究概要 |
虚血性心疾患の臨床重要な症状の一つとして口腔顎顔面領域の関連痛が存在することが知られている。しかしながら現在までその原因について詳細に究明されていなかった。そこで本研究は、心疾患の関連痛に関与すると考える迷走神経節の1つである篩状神経節(nodose ganglion)から心臓由来の一次知覚神経細胞を検出する新規技術を基盤とし、同神経細胞を単離培養し電気生理学的解析方法を用いて虚血性心疾患による口腔顎顔面領域の関連痛の発生を解明することを目的とした。 電気性理学的手法を用いて、乳幼仔ラットの篩状神経節(nodose ganglion, NG)細胞についてテトロドトキシン抵抗性(TTX-R)神経細胞に、カプサイシン急性投与に対する興奮発生の有無を調べた。その結果72%の神経細胞でカプサイシン投与により活動電位の発生を確認した。 今後、逆行性神経蛍光トレーサーを用いて内臓痛が顎顔面口腔領域に関連痛として現れる機序を組織学的に検出、解明する。
|