研究課題/領域番号 |
24890264
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
小泉 麗 武蔵野大学, 看護学部, 講師 (50385564)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 重症心身障害児 / ターミナルケア / 家族 |
研究概要 |
本研究のテーマである重症心身障害児における緩和ケア・ターミナルケアの研究、特に看護師の実践に注目した研究は海外でも少ない。そこで、2012年度は海外における看護師による小児の緩和ケア・ターミナルケアの研究動向を把握することを目的に文献検討を行った。 文献の抽出にはPub Medを使用した。検索語には統制語を用い、検索式は(“Infant”or“Child”) and (“Palliative care”or“Terminal care”)とした。2002年4月~2013年3月に看護雑誌に掲載され、英語で書かれた論文のうち抄録が入手可能なものは252件であった。252件の抄録を読み、研究論文としての形式(目的、方法、結果の記載がある)をとっており、看護師を対象とした論文24件を対象とした。 研究の主題は、看護師のコーピングストラテジー、サポート、知識、自信等、緩和ケア・ターミナルケアを行う上で看護師自身の抱えている問題に焦点化している文献や、緩和ケア・ターミナルケアにおける看護師の経験に焦点化している文献がみられた。研究の対象者は、PICU、CCU、NICU、ホスピスの看護師、community children’s nurses 等、多様であった。研究デザインは、多くは個別の半構成的インタビューまたはグループインタビューを用いた質的記述的研究であったが、量的研究も一部にみられた。データ分析方法は、質的研究には内容分析が多く、グラウンデッドセオリーアプローチを用いるものもあった。量的研究は、記述統計が多かった。結果や考察では、緩和ケア・ターミナルケアに携わる看護師のサポートの重要性や、家族を含めたケアにおける課題等が言及されていた。 ターミナル期にある重症心身障害児のケアにおいても、家族を含めたケアはキー概念となると思われ、今後、看護実践を明らかにすることが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2012年度は、現所属機関に就任して初年度であり、教育に費やす時間を多く要したこと、また、身内の介護が必要となったことが理由で、研究の時間を確保することが難しい状況にあった。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度は、5月に所属機関の研究倫理委員会に研究計画書を提出し、承認を得次第、データ収集を進めていくこととする。 データ収集施設における研究倫理審査を受ける必要がある場合はデータ収集まで時間を要するため、所属機関の研究倫理委員会の承認をもってデータ収集できる施設(訪問看護ステーション等の小規模の施設)におけるデータ収集と、病院における倫理審査申請を同時に行うこととする。
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