研究課題/領域番号 |
24890268
|
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
高橋 和男 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90631391)
|
研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
|
キーワード | IgA腎症 / 糖鎖異常IgA1 / バイオマーカー / 質量分析 |
研究概要 |
本研究は,慢性糸球体腎炎で最多の疾患であるIgA腎症において,免疫複合体形成機序,腎炎進展機序の解明を目指し,近年注目される糖鎖不全IgA1の糖鎖構造を詳細に解析した。糖鎖不全IgA1の検出は末端GalNAc特異的レクチンHelix Aspersa(HAA)を用いたELISAが主であるが,レクチンELISAではIgA1の糖鎖バラエティや異常糖鎖付着部位は不明である。そこでHAA ELISA値が高値のIgAN患者2名,HAA-ELISA値が低値の健常者2名の血清から,それぞれIgAを分離・精製し,シアリダーゼ処理、トリプシン処理後に、On-line LC LTQ velos Orbitrap(Thermo Fisher Scientific社製)にて測定・解析を行った。IgAN患者血清及び健常者血清IgA1のヒンジ部には3-6個の糖鎖が修飾されていることを同定した。さらにガラクトースが欠損した糖鎖の結合を健常者に比し患者血清由来IgA1で多く認めた。さらに例数を増やすことにより患者特異的に増加する糖鎖構造の同定を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
糖鎖異常IgA1に対する自己抗体の分離を試みたが,IgGの分離が少量であり,免疫複合体を形成する自己抗体の分離精製ができていない。
|
今後の研究の推進方策 |
糖鎖解析の例数を増加し,臨床症状や病理所見と比較し,関連のある糖鎖構造の同定を試みる。 糖鎖異常IgA1を多く含むIgA1産生骨髄腫患者由来のIgA1を用いて,糖鎖異常IgA1に対する自己抗体の分離を試みる。
|