研究課題
NKT細胞は活性化リガンドであるα-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)の発見により、種々の腫瘍細胞に対する細胞免疫療法として期待されている。しかしながら、腫瘍細胞の種類あるいは進行度によっては十分な効果が得られず、その免疫機構の解明が早急の課題である。本研究は、腫瘍細胞に対するNKT細胞等の細胞性免疫を強力に制御することで注目されているindoleamine 2,3-dioxygenase(IDO)に着目し、α-GalCerの投与により誘導されるIDOによるNKT細胞の免疫制御機構の解明を主たる目的とした。対象と方法は、1)各種転移性腫瘍モデルの作製、2)IDOの発現、サイトカイン量の経時的変化の解析、3)α-GalCer投与法および各種NKT細胞活性化リガンドとIDO阻害剤の抗腫瘍効果の解析、4)トリプトファン代謝産物の分析、5)病理学的検索を行った。結果はB16F10細胞を静脈注射で移入することにより肺転移モデルを作製し、移入後7日目に各種リガンドを投与した。α-Galcer投与後6時間で血中IFN-およびIDO活性は未投与群と比較して有意な増加を認め、移入後2週の肺転移巣では従来の報告通り、腫瘍縮小に一定の効果が得られた。また、移入後2週における肺臓でのIDO1と2のmRNA、免疫組織化学染色および血中トリプトファン代謝産物はα-GalCer投与により未投与群と比較して有意に増加していた。さらに、IDO1および2の特異阻害剤とα-GalCerを併用投与したところ肺転移巣への抗腫瘍効果はα-Galcer単独投与群と比較して著効していた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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